このサービスは、いわゆる「デスクトップサービス」と呼ばれるもので、OSやプログラムはサーバー(今回の場合はドコモのデータセンター)で実行されており、手元の端末は単に画面表示だけをするというものです。
昔のホストコンピュータとダム端末の関係と同じですね(っていうか、ダム端を知っている人があまりいない気がするw)。
プログラムがサーバー上で動作するので、データを端末側に一切持たずに利用ができることから、セキュリティが向上します。さらに、サーバー上ではトレンドマイクロ社のセキュリティ対策ソフトウェアが動作しているため、ウィルスなどの防御もしっかりとされています。
また、サーバー接続できる環境さえあればよいので、色々なデバイスやロケーションで常に同じ画面を呼び出して仕事ができるようになります。
よって、「セキュリティと生産効率を両立する」サービスということです。
実際に画面上に表示される(仮想デスクトップといいます)OSはWindows Server2008で、プログラムとしてはIEやMicrosoft Office 2010が利用できるようになっています。ちなみに仮想デスクトップ上のログインユーザには新しくプログラムをインストールする権限がないため、予めインストールされているプログラム以外は利用することはできません(これが最も大きな制限事項)。
利用できるデバイスとしては、
- Windows PC
- シンクライアント
- Galaxy Tab
- iPad
Macが対象外になっているようですが、このサービスはCitrix社のサービスを利用しているので、CitrixのMACクライアントも使えるはずです。
ということで、対象デバイスではありませんがMacBookAirで接続してみました。
こんな感じで、ちゃんと接続できますね。
なんで対象から外してしまっているのかは不明ですが、ドコモとしてはサポート外のようです。
見るとわかるように、I/FはWindowsです。
使い勝手はどうかというと、日本語入力の切り替えが面倒な点を除けば、概ね順調に動作しています(WiFi環境でテストしています)。
日本語入力の切り替えは、画面右下のMS-IMEの切り替えボタン(「A」とか「あ」とかをクリック)でやらなくてはなりません。また、変換自体はサーバー上のIMEで行うのではなく、ローカルのIMEで変換した文字だけをサーバーに送るしくみのようです。
そういう意味では、僕のようにローカルの日本語入力がGoogle IMEだったりするので、変換がバカで困るということはありません。
インストールされているプログラムは以下のとおりです。
今回はビジネスプランを申し込みましたので、Microsoft Officeがインストールされています。さらに申込時にOpenOfficeの選択(これは無料です)も可能だったので、念のため申し込みをしておきました。
試しにGalaxy Tabでもログインしてみました。
こちらもちゃんと表示がされます。
7インチですので、マウスのポイントがかなりシビアになります。
ただ、サイズについては慣れるとなんとかなるでしょう。
日本語入力はやはりかなりおかしな動作をします。
まず、ソフトウェアキーボードを使うのであれば日本語入力はGalaxyTab標準のSAMSUNG日本語キーボードを利用しないとうまく入力できません。
逆にBluetoothキーボードを使うのであれば、OpenWnnのようなIMEを使わないとうまくいきませんでした。
この辺りが大変使いづらく、通常使うIMEの組み合わせをしっかりと決めて運用しなくてはいけません。
一応iPadも試してみました。
タブレットでつかうのであれば、10インチってのは一番使いやすいサイズかも知れません。
とくにソフトウェアキーボードを表示させてもある程度画面が見えるので、操作する上で助かります。ただ、キーボードの表示切り替えをするバーが画面上部にあって、それを引っ張り出してキーボードの表示/非表示をする必要があるのですが、このバーがなかなか出てきません。iPadで一番イライラしたのが実はここでした。
3月末にはOptimusPadが出てきますし、XOOMあたりは画面サイズも10インチなのでもう少し使い勝手がよくなるかもしれません。
あ、その前にiPad2がでますね。
記憶領域(HDD)についても補足をします。
まず本サービスでは3つの記憶領域が提供されます。
- HDD
デスクトップサービスで使用したデータを格納するドライブです。イメージとしてはパソコンのローカルディスク(実際はサーバー上ですが)ですね。標準で1アカウントあたり4GBが用意されています。 - ストレージHDD
オンラインストレージになります。デスクトップサービス以外からもインターネット経由で読み書きが可能ですので、いちいちデスクトップサービスにログインせずにデータのやり取りをしたい時に利用します。標準で1アカウントあたり1GBが用意されています。 - 共有HDD
同一企業内で共有が可能なHDDです。こちらはオプションです。
ログの確認や遠隔ロック機能もあります。
また、この画面からオプションなどの追加申し込みもできるようになっています。
今回色々と実験している際に二重ログイン状態が何回か発生し、その後ユーザログインができなくなってしまったのですが、万が一そのような状態になった場合もこの画面から解消することができます。
では利用料金です(2011/3/2現在、税込)。
まずは初期費用として6,300円/アカウントがかかります。ただし、5月末までは事務手数料は無料となるスタートダッシュキャンペーンを実施中です。
次に月額費用ですが、基本プランが3種類用意されています。
ビジネスバリュープラン:7,875円/アカウント
ビジネスプラン:10,500円/アカウント
エコノミープラン:8,925円/アカウント
エコノミープランというのは、Microsoft Officeが入らないプランです。その代わりにOpenOfficeがバンドルできるので、MSOfficeにこだわらないのであればエコノミープランでも良いでしょう。
逆にMicrosoft Officeが必要な方はビジネスプランを選択します。こちらは月額料金がもっとも高くなりますので、1年間の縛りがあるビジネスバリュープランも用意されています。
これ以外のオプションについては以下のとおりです。
Microsoft Project 2010 Standard:2,625円/月
Microsoft Visio Standard:1,050円/月
追加HDD:105円/GB/月(最大46GBまで追加が可能です)
ストレージHDD:105円/GB/月(最大49GBまで追加が可能です)
共有HDD:105円/GB/月
なお、料金は日割りされませんが、加入月については月額料金はかかりません。
総括
マルチデバイスということで、iPadやGalaxyTabからも利用ができるのは便利ですね。実際ソフトバンクグループさんでもiPadを積極活用していますが、こういったデスクトップサービスを結構使っているようです。
企業ユースでは、なんだかんだいっても依然WindowsやMS Officeが事実上必須条件になってしまっているところがあります。
最大の問題点は、アプリケーションが自由に入れられないこと。
Officeは必須とはいえ、それだけではさすがに足りないわけで、それ以外は仕方なくブラウザベースでやることになります。そうなるとわざわざデスクトップサービスでなくても良いのではという疑問もでてきます。
まぁ使い方としては、社内ではパソコン、出先ではタブレットという使い分けでどこでも仕事ができるという環境を想定しているようですが、実際に社内のパソコンを全廃してシンクライアントなどを導入しているならともかく、社内は依然パソコンが残る環境で新たにデスクトップサービスの需要がどこまであるのかが疑問です。
料金的にも年間ベースで9万円超となりますので、今ならそこそこのパソコンが買えます。
管理コストの低減といったTCO削減をどう見せるか、ここがこのサービスを提案していく上での一番のポイントになりそうです。
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