2012年6月4日月曜日

ダライ・ラマのお言葉

Facebookからの転載になりますが、とても心に響いたので忘れないようにブログに書いておこうと思う。

ダライ・ラマに「人間に関して、最も驚くことは何ですか」と聞いたところ、こう答えた。

「お金を稼ぐために健康を犠牲にして、健康を取り戻すためにお金を犠牲にすることです。
未来のことを心配しすぎて、現在を楽しめてないことです。結果どうなるかというと、未来も現在も生きていないことになる。
そして、まるで自分は死なないかのように生きて、まるで実際に生きていなかったのように死ぬことです」

2012年3月22日木曜日

スマホ版iコンシェル始まる

ドコモのiコンシェルサービスが3月22日にスマートフォンにも対応できるようになりました。
早速申込をしてみたので、取り急ぎレポートします。

概要

スマートフォン版のiコンシェルは、従来のフィーチャーフォン向けサービスを大きく変更はなく、機能としては以下の2つです。

  • インフォメーション配信機能
  • コンテンツ自動更新機能


インフォメーション配信機能

ドコモや公式CP(コンテンツプロバイダ)が配信する各種情報を受け取る機能です。マチキャラを設定している人は、待ち受け画面上でインフォメーション受信を通知してくれます。
配信される情報には、地震や天候、電車遅延情報、道路混雑情報、終電アラーム、イベント情報など、従来のフィーチャーフォンで提供されていたものと同じです(CPの配信情報につては、CPのスマートフォン対応状況に依存します)。
配信には「オートGPS配信」も利用されます。オートGPS配信とは、あらかじめ設定された場所に来たときに自動的に配信される機能です。この機能を使うことによって、たとえばリアル店舗の近くにお客さんが来たときに、自動的にクーポン情報をインフォメーションで配信することなどが可能となります。
オートGPS配信を利用するためには、あらかじめ端末側でオートGPS機能を有効にしておく必要があります(デフォルトではオートGPSは無効になっています)。

コンテンツ自動更新機能

ここでいうコンテンツとは、「トルカ」と「iスケジュール」の2つがあります。
実はどちらもiコンシェルサービス開始前からスマートフォンでは使えた機能ですが、iコンシェルの自動更新機能によって、コンテンツを遠隔から自動的に更新することができるようになりました。
たとえば、クーポン情報が記載されたトルカをあるタイミングで自動更新したり、サッカーチームやタレントのイベント情報などをiスケジュールとして自動的に更新することができるわけです。

申込

これらiコンシェルサービスを利用したいというユーザは、別途iコンシェル契約が必要となります。フィーチャーフォンでは、月額210円(税込)でしたが、スマートフォンでは月額105円(税込)で利用することができます(2012年4月30日までに契約した方は、最大60日間は無料です)。
契約に関して重要なことは以下のとおりです。

  • iコンシェル対応スマートフォンであること(2011-12冬春モデル、一部の機種を除く)
  • spモード契約必須(iモードとの重畳契約では利用できません)
  • メモリに空きがあること(iコンシェル絡みで必要なアプリには、iコンシェルアプリ、スケジュール&メモ、マチキャラ、ドコモバックアップ、トルカ、オートGPSがあります)


実際の申込は、ドコモショップ以外に端末やPCからも可能です。僕は法人契約の端末でしたが、PC(My docomo)から申込が可能でした。
注意が必要なのは、前述したようにiモードと重畳していないspモード契約が必要であること。iモードと重畳契約している人は、spモードに契約しなおしが必要です。
また、iコンシェルサービスを契約すると、自動的に「電話帳お預かりサービス」にも加入させられます(スマートフォンでの利用料は無料です)。
※「電話帳お預かりサービス」は、通常一日1回端末の電話帳やトルカ、iスケジュールなどのコンテンツをドコモのサーバと同期してくれるサービスで、iコンシェルサービス開始日である本日(3月22日)から始まりました。

契約が完了すると、自動的にiコンシェルアプリのダウンロードが始まります。
このアプリがiコンシェルサービスの中心となります。この時点でメモリに空き容量がないと以下のメッセージがでちゃいます。
その場合は仕方ないので、容量の大きなアプリケーションをいくつか削除する必要があります。先ほどインストールされているiコンシェル関連のアプリサイズを計算してみたところ、ざっと30MBくらいありました(データも含む)。

iコンシェルアプリはこんな感じです。
初期起動時は、オートGPSが未設定になっているので、まずはオートGPS設定から始めるとよいと思います。
「トルカ」や「スケジュール」はこのアプリからも起動できますが、それぞれトルカアプリやスケジュール&メモアプリを開いても同じです。
iコンシェルを使っていると、徐々にウザくなっていく(笑)インフォメーションについてはこのアプリの「設定」から配信情報を変更することができます。
iコンシェルアプリがインストールできたら、同じく「設定」から「プロフィール」についても設定をしておきましょう。設定項目はニックネーム、生年月日、性別、居住地です。これらの情報の登録は任意ですが、設定しておくとインフォメーション配信時にフィルタとして利用されるので、関係の無い情報を受けとりたくない場合は設定しておくと良いかと思います。

取り急ぎ、ユーザ側からみたスマートフォン版iコンシェルはこんな感じです。
iコンシェルサービスを使って、情報を配信したい側の説明についてはそのうち(ご要望があれば)ご紹介したいと思います。



2012年2月23日木曜日

CIAJ/MCPC共催 特別セミナーを受講してきました

2/21(火)以下のセミナーを受講してきたので、そのまとめ。

CIAJ/MCPC共催 特別セミナー 
「災害時に関する安心・安全について(非常時の携帯電話は)」 

本セミナーは以下の3部構成となっており、最初の2講演が通信キャリアとしての視点、最後の1講演は災害時のITボランティアとしての視点で講演が行われました。

講演①「東日本大震災に対するドコモの取り組みとこれからの対策」
NTTドコモ 福島弘典氏

講演②「東日本大震災におけるKDDIの対応と今後の取り組み」
KDDI 米倉和則氏

講演③「東日本大震災の復興に向けて〜復興支援に必要なコミュニケーションとトラスト〜」
岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授 村上優子氏


講演①「東日本大震災に対するドコモの取り組みとこれからの対策」
NTTドコモ 福島弘典氏 

東日本大震災における被災状況
被災地域では、約4,900局が通信できない状態に陥ったが、このうち85%が停電によるもので、残りが通信設備の損壊(光ファイバーの断線が大きい)。
85%が停電によるものであったことから、電力対策が大きな課題であることがわかった。

発災時の通信トラフィックの状況
・東北におけるトラフィック量
音声トラフィック:発信は通常時の60倍、着信は40倍→最大90%規制
パケットトラフィック:発着信とも通常の3〜4倍程度
※お見舞いメールが集中し、翌日もパケット着信が減らなかった
・東京におけるトラフィック量
音声トラフィック:発信が50倍、着信は20倍→最大90%規制
パケットトラフィック:2から3倍程度
※メールは通常、送信直後に90%以上が届くが、震災時は80%届くのに30分、90%届くためには80分かかった。 

災害復旧方法
・マイクロ伝送路による設備復旧
  光ファイバーが切断してしまったところを移動基地局を使ってマイクロ波による伝送を行った。ただし、この方式は受信局まで見通しできる場所で伝送を行うことが条件である。
・応急的に光ファイバーを引き直して復旧
あくまで応急的な復旧ではあるが、光ファイバーを引き直して対応も行った。
・大ゾーン化による設備復旧
1基地局で複数基地局をカバーする方式を利用してサービスを復旧させた。
※ただし、大ゾーン化することで通常時に比べて通信できる呼数や端末台数は減るが、対策としてはまったく繋がらないよりは良い。
・衛星回線による設備復旧
移動基地局から衛星を利用して応急な対策を行った。

ちなみに、NTTドコモでは福島第一、第二避難区域内の復旧作業については、約25Km離れた基地局から原発付近に向けて指向性の高いアンテナを使って電波を吹いている。また、一部は伝送路を復旧もさせている。

ドコモグループの復旧体制
合計で4,000名体制で支援をおこなった。

被災地への支援
無料衛星電話:900台
無料携帯電話:2,100台
タブレットの貸し出し:670台
無料充電コーナー:410箇所

復旧エリアマップ
3/20から運用開始したが、利用者からは遅いとの指摘もあった。
利用状況については、初期10日間で約20万アクセスがあった。

災害伝言板の利用
情報登録は160万件あり、情報の確認は287万件あった。
しかし内容をみてみると、災害伝言板のトップページから被災状況の登録をしたのは、わずか8%、情報の確認を行ったのも8%しかいないことが判明した。
特に60歳以上はトップページへのアクセスが4%、登録・確認とも1%しかない。

新たな災害対策について
・重要エリアにおける通信の確保
大ゾーン方式基地局を全国に設置(104箇所)
都道府県毎に概ね2箇所(東京は6,大阪は4)
半径7Kmをカバー
無停電化、バッテリー24時間化
都道府県庁、市町村役場などを重点的に無停電化700局程度、24時間化は1,000局

・被災エリアへの迅速な対応
衛星携帯電話の避難所への即時提供(全国で3,000台を用意する予定だが、震災後ユーザからの需要が大きく、現在数が今足りない状況)
衛星エントランス回線(震災前10台→24台へ、車載型を9台配備)の活用
マイクロエントランス回線基地局(100区間を準備)

・災害時におけるお客様の更なる利便性向上
音声による災害伝言板を開発、3月から提供予定(※音声データをパケットとして送信する方式)
復旧エリアマップの公開時期の短縮、視認性の向上、汎用性の向上(12月23日より)

最後にドコモからのお願いとして、発災時は音声よりパケットの方がつながりやすいので、なるべくメールなどをご利用いただきたいとのことでした。


講演②「東日本大震災におけるKDDIの対応と今後の取り組み」
KDDI 米倉和則氏(au技術企画担当)

1995年の阪神大震災の時は携帯電話の普及台数も現在とは比較にならず、むしろ携帯電話は繋がりやすかった。一方今回は、固定電話の方が繋がりやすかったのではないかと思う。
また、今回についてはソーシャルメディア(Twitter、facebook)による連絡手段が使いやすかったの印象的である。

災害がインフラに与える影響については概ね以下の5つの要因が考えられる。
・局舎や通信設備の損壊
・伝送路の破損
・停電
・通信の輻輳
・保守作業が困難(道路がないなど)

今回の震災では、実際に大量のアラームが発生してしまい、現場の状況の把握ができない状況に陥った。また、回線断などにより現地との連絡ができなかった。さらに、余震が多発し、障害範囲が拡大。輻輳による自動規制発動や社員の安否が確認できないといった様々な要素が重なることで、復旧作業は困難をきわめることになった。

KDDIは海底ケーブルを利用して仙台に陸揚げ局があるが、壊滅的な被害を受けた。さらに、高速道路に伝送路を敷設しているが、こちらもところどころで断線した(伝送ケーブルについては、発災後24時間体制で2日間で復旧させたとのこと)。もちろん基地局やauショップにも直接被害が発生した。

KDDIでは、発災直後の15:10に災害対策本部/現地対策本部を設置し、16:00には被災状況の把握と、車載基地局・移動電源車の出動指示を行った。彼らは12日の夕刻に仙台に入り、翌日13日の午前3:21に車載1台目立ち上げを完了した。その後、のべ70箇所で基地局を立ち上げた。

固定電話は39万回線で障害が発生した(6/30までに99%復旧)。また、国際通信サービスも障害が発生したが、こちらは3/15に仮復旧をした。

ケータイ電話(au)については、1,933局が停止したが、4/5で残り185局、4/22で残り124局、6/2で残り81局となり、6/末で全て復旧させた。
福島県内(立ち入り制限区域)については、残念ながら現在対策はできていない。

暫定対策エリアでは
・大ゾーン化
・衛星エントランス
・無線エントランス

復興後エリアでは
・基地局新設によるエリア整備

また、現地での支援活動としては
・携帯電話の貸し出し:1,290台
・衛星携帯の貸し出し(イリジウム・インマルサット):48台
・無料充電コーナーの設置

通信トラフィックの状況
被災地で最大95%の通信規制が行われた。また、被災地向けへの発信については最大50%の規制を行った。一方、パケット通信については特段発信規制を行わなかった。ただし、EV-DO網についてはパケット専用で構築されているため、音声通話の影響を受けなかったが、ケータイメールについては、着信通知に音声ネットワークを利用してしまっているため、結果的にメールの着信が遅れるという現象が発生した。これについては、今後着信通知をSIPへ移行するなどして対策を取る予定である。
発災時、音声通話のトラフィックは通常時の8倍程度、メールについては5倍程度であった。メールのピークが音声より遅れて発生しているので、音声が使えないのでメールにシフトするユーザが多いように思える。
災害伝言板は約二時間後にピークを迎えた。
固定回線については、地震直後はトラフィックが減少した。国際通信についても、震災後は一度トラフィックが減少した後、徐々に高くなる(108%)といった傾向が見られた。

今後の災害対策の取り組み
まずは全社レベルでのBCPの再点検が必要であると認識している。
・発災時の影響を最小限に(冗長ルート、サイトダイバーシチー、停電対策)
・迅速な復旧(障害箇所の早期把握)
・利用者へのケアを万全に

具体的な数字としては、非常用電源配備基地局を現在の55から130へ、さらに2,000局で24時間バッテリー化。移動基地局を15台から47台にし、無線エントランス区間も60箇所に広げる。

さらに、災害時のメール疎通を強化し、それと併せて緊急速報メール対応機種を拡大する。
また、サービス停止状況などの情報提供を迅速に行い、全国に敷設してあるコアネットワークは最終的には3重化にする予定である。災害伝言板のスマホ対応も行う。

最後にKDDIからのお願いとして、「メールの遅延については、新着メール問い合わせをしてほしい」とのことでした。


 講演③「東日本大震災の復興に向けて〜復興支援に必要なコミュニケーションとトラスト〜」
岩手県立大学ソフトウェア情報学部教授 村上優子氏

村上氏は、実際に岩手県内の自治体と協力を行い、主にIT関連の復興支援を行っている。
その経験を踏まえて、復興支援には「災害コミュニケーション」が必要であると提唱している。


災害時に問題となるのは、「解決したい問題は共通だけど、協調は難しい」という点である。これは以下の要因から発生している。
・関係者の多様性(背景が異なる)
・感情的になりやすい(睡眠不足、不安・不信)
・面識のない人々との連絡や相談(誤解)
・状況が刻々と変わる中、瞬時の決断が求められる(理想や最適化の実現は困難)
・真の需要の認識把握が難しい

村上氏は、このような状況下において必要とされる技術として「トラストの情報処理」を挙げている。


そもそも「トラスト」とは、
・相手の能力
・相手の誠実
・相手の善意
から構成されている。
このうち、誠実と善意には「主要価値類似性」がある。具体的には、「同じ価値基準を持っている人に言われるとよりトラストになる」ということである。

たとえば、相手が困っているときに、すぐに対応をしてあげることで主要価値類似性が生まれ、結果的にトラストが生まれる。例えば、まずは相手が何を必要としているかをしっかりと理解することが災害コミュニケーションでは重要である。
今回、実際の被災現場ではIT機器などよりも、まずは車や燃料、人などのプライオリティが高く、それを提供する作業から始めることになったそうだ。ただし、そのように必要なものを的確に送ることを続けることで、徐々に「トラスト」を得られるようになり、最終的には本来支援するべきIT機器にたどり着くことができたとのこと。

一方で、トラストは非対称性原理(得るのは堅いが、失うのは易い)であることにも注意をしなくてはならないとのこと。残念ながら、この部分は時間切れで解説がなかったが、資料を拝見すると概ね以下のとおりである。
・信頼を崩す出来事は伝えやすい
・否定的な事柄は、肯定的なものより信頼評価への影響が大きい
・否定的な事実は、肯定的なものより一般化されやすく、危険性を主張する場合の論拠に使われやすい
・信頼の欠如がさらに信頼を低下させ、その流れを作ってしまう

すなわち、否定的なことは肯定的なことよりも伝搬しやすいということである。

そこで、災害対策での不信対策として、
・不信は生まれることが前提であると考える
・共同作業をする上では、相手を「安心」をするのではなく、相手を「信頼」をすることが大切である
・目的を共有しながら行動することで、主要価値類似性によるトラストの維持を行う
が有効であるとのこと。

村上氏の講演を聴いていると、まさに「ソーシャルシフト」へ繋がっているような気がしたが、皆さんはどうだろう。