2011年5月18日水曜日

KDDIのナイスなニュース

昨日(17日)はKDDIの新製品発表会でした。
新しい端末のニュースがたくさん出てきた中で、端末ではないところでKDDI関係の気になったニュースを2つピックアップ。



インキュベーションプログラム「KDDI ∞ Labo」の開始について
「KDDIムゲンラボ」と名付けられた主にAndroidを中心としたアプリの開発者向けの3ヶ月間に渡ったプログラムです。内容をみると、スタートアップ企業などこれから新しくAndroidを中心にビジネスを展開していこうとしている方々をターゲットにしていこうという感じです。
応募者の中から選抜されたチーム(個人でも可)は、六本木に用意される専用のラボでKDDIから色々な支援を受けることができます。面白いのは、開発支援だけにとどまらず、経営支援も受けることができる点です。優秀なチームには「au one market」などプロモーションも提供される予定です。
KDDIは以前にも、FeliCa対応のAndroidアプリのハッカソン(記事はこちら)で技術サポートを行っており、より積極的な開発者支援を始めたということになります。
Androidの可能性はまさに「∞(無限)」であり、早い段階から優秀な開発者を陣営に取り込む作戦とも見えますが、個人的には「共創」戦略なのかなと思います。たとえば今回発表されたFacebookとの連携や、すでにサービスが始まっている「Skype | au」など、外部のサービスとのコラボレーションを打ち出すことによって、エコシステムを上手に構築していっているなという印象です。
いずれにしろ、Androidで一発当ててみたいと思っている方は、さっそく応募してみると良いかと思います。個人的には僕も応募したいくらい。



2つ目のニュースは、今朝の日経にでていたもの。
KDDIなど、節電家庭に「エコポイント」 15%達成で月1000円分
※日経の記事なので、会員でないと読めないかもしれません。

こちらはまさに現在、旬な話題である「節電」に関するニュース。要約すると、前年同月比で15%の節電を達成した家庭に対して、KDDIが1,000円分のエコポイントを出しますよというものです。ただし、エコポイントとはいっても、KDDIが払いだすのは「auポイント」なので、au内でしか利用できません。期間は今年の7月〜9月で、他にも参加企業が増えてきたりすれば、10月以降も継続する可能性ありとのことです。
auポイントじゃ使い道がないなぁとは思いますが、この仕掛け自体は非常に面白いと思います。
「節電」は今や一大ブームとなっており、とくに家計を預かる主婦にとっては、節電をゲームのように楽しんでいる人も多いと聞いています。そのような家庭では、節電してポイントまでもらえるなんて、まさに一石二鳥。ウハウハなわけです。
ただ、僕がこのニュースで気になったのは以下の2点です。

  1. 各家庭の電力情報が東電からKDDIに渡せること(もちろん承諾が必要)
  2. 家庭向けの無線通信機能付き電力監視装置の実験をすること
まず一番目。
東電から情報が取れるなら、これを使ってSPモードのサービス作れるんじゃないですか?>ドコモ様。もっといえば、APIの開放によって一般の開発者もサービスが作れるんじゃないの?ってことです。
国際宅配便のFedexが荷物のトレーサビリティをオープンにしてユーザの信頼を獲得したのは有名な話ですが、東京電力もこういう情報開示を積極的に行うことで、失った信用を取り戻すことが大切だと思いますがどうでしょう。

次に2番目。
実は分電盤に取り付ける電力監視装置は今もありますし、先日の組み込み開発技術展でも注目されていました。

組み込み開発技術展で展示されていた電力監視装置。
分電盤から伸びる電力線にクランプをかませて電流の測定をおこなっていた。

ただ、現時点では価格がかなり高くなってしまい、企業ユースならともかく、家庭での普及にはまだ時間がかかりそうです。
そこで今回KDDIでは、参加者のうち200世帯にこのような装置を設置し、無線で情報を取得する実験も併せて実施するとのことです。
スマートグリッドは着実に進んできてはいるものの、主にコスト面でなかなか普及していないのも事実です。しかしながら、今回の震災を期に節電意識が高まっていることは間違いなく、このタイミングで先手を打ってきたKDDI、なかなかやるなぁというのが僕の感想です。

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